防水(防水加工)とは?
waterproof
"proof"は、「(水などに)耐えられる」というような意味。
そして、防水は英語だと「waterproof」か「waterproofing」。
"防水加工"だと「waterproof finishing」
生地(織物やレザー)の表面全体を防水素材(物質)で覆うこと。
高いレベルで透水を防ぐことができる。
一方で生地を丸ごと覆うような形のため通気性のない生地になるので、
体から放出される水蒸気が外に逃げていかずに蒸れるため、
衣料分野では長時間の利用には向かないのが弱点。
【主な防水商品】
基本的に直接肌に触れないものに適用される。
- バッグ類
- 傘
- 長靴(レインブーツ)・・・・・日常靴ではなく雨の時間だけ使われるもの
*通気性がなくなるという問題を解消する、
細かい水蒸気は通すものの、起きな水滴は通さないという特徴をもった
「防水透湿性素材」というタイプの素材も存在する。
*"防水"の種類の中の「耐水」にあたるという考え方もあり。
撥水(撥水加工)とは?
water-repellent
撥水(撥水加工)は英語で「water-repellent」。
そして「撥水」という単語自体の意味は、「布地が表面で水をはじくこと(性質)」というような意味。
生地表面を覆うため通気性はなくなる加工の「防水(耐水)」と違い、
通気性は持たせたまま、防水性を持たせる防水加工のタイプ。
逆に、防水(耐水)加工ほど防水性が高くないのが弱点。
なお自然界には最初から撥水性を備えている植物があり、
特にハスの葉は強い撥水性を備えているといわれる。
【主な撥水商品】
基本的に肌の上に着用するものに対して撥水加工が適用される。
- コート
- レインコート
- アウトドア系ジャケット
- ウインドブレーカー
- ナイロンパンツ
- ベスト
- 帽子
- レッグウォーマー
- 靴類・・・・・レインブーツ以外
- 雨晴兼用傘
防水と撥水の違い
- 防水(防水加工)= 不通気性加工(蒸れる)
- 撥水(撥水加工)= 通気性加工(蒸れない)
と分類されるように、
防水は「不通気性加工」のため、体から出る水蒸気(汗)が逃げられずに蒸れるので長時間利用には向かない、
一方で、撥水は通気性を維持した防水加工法のため長時間利用でも問題ない、というのが基本的な違い。
また、蒸れは防ぐものの「撥水」のほうが防水力で劣る点も違い。
*これは「防水透湿性素材」と呼ばれる防水加工のタイプがない場合の定義で、
「防水透湿性素材」に関しては、防水加工の弱点をカバーする。
(防水透湿系素材は"防水"と言う文字が入っているものの通気性があるため、通気性加工に分類されると思われる)
*なお、"防水"の種類の中に
「耐水(不通気性加工)」
「撥水(通気性加工)」
という2つの種類があるという考え方もある模様。
防水透湿素材(防水透湿系素材)
水蒸気は通すが、水滴は通さない防水加工素材。
主に、過酷な雨雪環境下でもたくさん汗をかくウインタースポーツやアウトドアシーン向け。
具体的にいうと、雨水や雪はしっかりガードするものの、
体から放出される水蒸気(=汗)は通し、蒸れは防ぐ機能をもつのが基本機能。
その他、各社の商標ごとにオリジナルの機能がある。
[主な透湿防水系素材(商標名)]
商標名 (展開企業) |
概要・特徴 |
ゴアテックス (ゴア社) |
防水耐久性、透湿性、防風性をもった素材。 なお、水蒸気は通しても冷気(空気)は通さない。
モンベル、パタゴニア、THE NORTH FACEなど、 多数のアウトドアウエアメーカーがこの素材を利用。
|
エントラント (東レ) |
アウトドアシーン向けの防水透湿加工素材。
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ターミザクス (東レ) |
最高レベルの防水性、透湿性、低結露性をもつラミネート素材。 過酷な環境下(登山など)にも対応。
|
ベルグテックEX (MIZUNO) |
ミズノ独自の防水透湿素材 |
オムニテック (Columbia) |
こちらは素材名ではなく、Columbia社が独自開発した "技術"の名称であるようです。 |
【防水透湿素材を使用した主なアイテム】
- スポーツ・アウトドア向けジャケット
- スポーツ・アウトドア向けパンツ
- スポーツ・アウトドア向け手袋
- スポーツ・アウトドア系シューズ
- 帽子
- レインウエア
■YouTube「Columbia」公式チャンネル
濡れない。ムレない。コロンビア独自の防水透湿機能。オムニテック - Columbia
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