衣料をはじめ、タオルなどの生活用品、

防災用品、インテリア系商品まで様々製品作りになくてはならない各種繊維の解説。

 

 

 

簡単に説明できるものや、まだ個別ページを作っていないものは、

こちらのトップページ内にまとめています。

 

説明が難しい素材は個別ページを作成しています。

 

 

 

天然繊維(植物繊維) 簡易比較

 

植物繊維の主成分=セルロース

 

 

繊維名

主な特徴

弱点

その繊維を

使用した

主な製品

 

綿[メン]

(木綿、綿織物)

 

cotton

 

■安価

■肌触りが良い

■柔らかい

■丈夫

吸水性が高い

 

シワができやすい

縮みやすい

伸縮性は低い

デニムパンツ

デニムシャツ

チノパンツ

コーデュロイパンツ

など

 

 

(麻糸、麻織物)

 

 

[主な麻の種類]

リネン

ラミー

ジュート

アバカ(マニラ麻)

サイザル麻

 

 

【主な共通の特徴】

通気性が良い
■清涼感がある

■速乾性が高い
■丈夫

虫に強い

 


 

【リネン個別の特徴】

■光沢感がある

■肌触りが良い

 

*麻素材の大部分を占める

リネン個別の特徴

 

シワができやすい

伸縮性は極めて低い

(綿以上に伸縮性がない)

春夏向けシャツ

ニット商品

かごバッグ

ストール

ソックス

など

 

ラフィア

(ヤシ系)

 

指定外繊維

 

 

■春夏系素材

■通気性が良い

■繊維が柔らかい

■冬には向かない

かごバッグ

春夏向け帽子

 

 

 

天然繊維(主な動物繊維) 簡易比較

 

大きく分けると、虫系と動物系に分類される。

主な共通の弱点は虫に食われやすいところ。

 

 

繊維名

主な特徴

弱点

その繊維を

使用した

主な製品

絹(シルク)

 

[昆虫系繊維]

 

■高級

■光沢感がある
■なめらかな手触り
染色性が高い

■吸湿性が高い

 

■摩擦に弱い

■紫外線に弱い
■洗濯に弱い

ネクタイ

スカーフ

ストール

ドレス

 

 

 

羊毛(ウール)

 

 

 

 

 

■保温性が高い

■撥水性が高い
■吸湿性が高い
■毛に縮れがある

■伸縮性が高い

 

 

水分を含むと、

毛の性質により

フェルト化しやすい

ニット商品

コート

ジャケット

スラックス

 

カシミヤ

(カシミア)

 

[カシミヤ山羊の毛]

 

 

■採取できる量はわずか

■保温性が高い
■光沢感がある

 

 

特有の弱点は整理中

ニット商品

 

アンゴラ

 

[アンゴラ兎の毛]

 

 

保温性が高い
軽い
毛が絹のようになめらか
毛が柔らかい
毛が長い
毛がふわふわしている

 

毛が抜けやすい

ニット商品

 

 

モヘア

 

 

[アンゴラ山羊の毛]

 

 

 

光沢感がある

柔らかい

■単独混紡は難しい

■毛が太い

 

■毛が抜けやすい ニット商品

 

 

 

 

合成繊維の比較

 

分類=化学繊維 > 合成繊維

略称=合繊

 

 

石油などが原料。

総合的には、伸縮性が高いが吸湿性に欠けるのが主な共通特徴。

 

 

繊維名

主な特徴

弱点

ポリエステル

 

 

最もポピュラーな

合成繊維。

 

強度に優れる
耐久性が高い
弾力性がある
シワができにくい

耐熱性は強め(他の合繊より)

 

 

静電気が起きやすい

■吸湿性に乏しい

(速乾性は高い)

ナイロン

 

 

強度が特徴

 

 

弾力性がある
耐久性に優れる
絹に似た光沢感がある

■伸縮性が高い
軽い

 

 

熱に弱い

■吸湿性に乏しい

(速乾性は高い)

アクリル(短繊維)

 

[羊毛系]

 

*アクリル繊維の中心。

羊毛系繊維。

 

保温性が高い
柔らかい
軽い
ふんわりしている
染色性が高い

■伸縮性が高い

 

熱に弱い

 

アクリル(長繊維)

 

[絹系]

 

 

*アクリル繊維の少数派。

絹に似た特徴を持つ。

 

 

 

絹のような光沢感がある

 

■熱に弱い

 

ポリウレタン

(ポリウレタン繊維)

 

 

[ゴム系繊維]

 

 

ストレッチ素材として

欠かせない存在。

 

 

■極めて高い伸縮性をもつ

(主要繊維の数十倍)

染色しやすい

 

△整理中

 

 

 

[その他の合成繊維]

服飾分野での需要はわずかのため、詳しい説明は省略

 

 

  • ポリプロピレン(略称PP)・・・・・服飾分野では、バッグの素材としてまれに使用されることがある。
  • ポリエチレン(略称PE)・・・・・服飾分野では透明系の傘(ビニール傘)の素材として使用されることがある。
  • ビニロン・・・・・漁網などに使用される。

 

 

 

 

 

主な再生繊維(レーヨン、キュプラ、リヨセルなど)

 

分類=化学繊維 > 再生繊維

 

 

化学繊維の中に分類されるもの。天然物が原料。

 

レーヨンとリヨセルの原料は木材パルプで、

キュプラの原料は綿花の種についている産毛(コットンリンター)。

 

 

 

繊維名

特徴

弱点

この繊維を

使用した

主な製品

 

 

レーヨン

(別名:ビスコースレーヨン)

 

rayon

 

 

[絹系]

 

 

*最も需要が高い再生繊維。

別名は「人造絹糸」

 

 

 

■光沢感がある
滑らかさがある
染色性が高い

■ドレープ性高い

■吸湿性が高い
上品さがある

 

■シワになりやすい

■水に濡れると縮みやすい

■伸縮性は低め

各種シャツ

ニット商品

パンツ類

など

 

 

キュプラ

(別名:銅アンモニアレーヨン)

 

 

[絹系]

 

 

*衣類の裏地需要が高い

 

 

 

裏地需要が高い

光沢感

滑らかさ

染色性が高い

 

■伸縮性が低い

(レーヨンよりも低い)

衣類裏地

各種トップス

各種ボトムス

靴下

など

 

リヨセル

(テンセル)

 

 

*テンセルは某メーカーの商標名

 

指定外繊維

 

 

■強度に優れる

(縮みにくい)

柔らかい

光沢感がある

■吸水性が高い

 

特有弱点整理中

各種シャツ

ニット商品

 

 

 

[その他の再生繊維]

 

  • ポリノジック(Polynogic)・・・・・レーヨンの一種。木材パルプが材料。衣料品の原料としての利用は特に見当たらないので説明はカット。キュプラ以上に伸縮性は低い。

 

 

 

 

 

 

主な半合成繊維(アセテート、トリアセテート)

 

分類=化学繊維 > 半合成繊維

 

なお、アセテート(=ジアセテート)とトリアセテートは、

レーヨンやキュプラなどの再生繊維と比べると、衣料品分野での使用率は低い。

 

 

繊維名

特徴

弱点

この繊維を

使用した商品

アセテート

(=ジアセテート)

 

 

絹(シルク)系

 

 

■光沢感がある

■伸縮性高め

保温性が高い

 

 

■吸湿性が低い

ニット商品

ワンピース

シャツ

トリアセテート

 

 

絹(シルク)系

 

 

 

[独自特徴]

ジアセテートより熱に強い

 

 

 

吸湿性が低い

 

*ジアセテートよりも

吸湿性が低い

ブラウス

スカート

ワンピース

バッグ

 

*ニット商品には

使われない。

 

 

 

[その他の半合成繊維]

  • プロミックス・・・・・こちらはタンパク質系。絹系

 

 

 

 

 

 

主要繊維の伸縮性ランキング

 

色々な公式的資料をもとにしたおおまかなランキング。

(各社の糸製品の特徴の違いにより、下記の順位があてはまらない場合もあり)

 

伸縮性に関しては、短繊維(ステープル)か長繊維(フィラメント)の形で違いがある繊維あり。

 

 

1位

ポリウレタン

 

ストレッチ素材の代名詞。

2位以下の数十倍の圧倒的な伸縮性。

 

2位グループ

ポリエステル短繊維

アクリル短繊維

ナイロン

石油系合成繊維がこの順位

5位グループ

ポリエステル長繊維

アセテート

トリアセテート

 

9位グループ

レーヨン短繊維

レーヨン長繊維

 

 

12位グループ

 

キュプラ

ポリノジック

 
14位 綿 麻よりは伸縮性がある
15位

 

主要繊維の中で最も伸縮性に乏しい。

伸縮性を加えたい場合は、

ポリウレタンなどを混紡する必要がある。

 

 

*マイナー繊維は除外

 

 


 

 

[伸縮性の高さ(繊維種類別の傾向)]

 

  • 石油系合成繊維=全体的に伸縮性が高い(特にポリウレタン)
  • 植物系天然繊維=基本的に伸縮性に乏しい
  • 動物系天然繊維=伸縮性高め

 

 

 

 

主要繊維の軽さランキング

 

 

順位

繊維名

水の重さを1にした場合の数値
1位グループ

ナイロン

アクリル

約1.1

3位グループ

アセテート

トリアセテート

約1.3
7位 ポリエステル 約1.4
8位グループ

レーヨン

ポリノジック

キュプラ

約1.5
12位グループ

綿

約1.55

 

 

 

 

 

 

主要繊維の公定水分率の高さランキング

 

[公定水分率とは?]

温度20度、湿度65%の状態でその繊維に含まれる水分率をパーセンテージで表す。

 

 

 

[傾向]

天然繊維は明確に公定水分率が高い傾向にある。

3位の再生繊維3つ(レーヨンキュプラ、ポリノジック)は天然物のセルロースを再生したもの。

5位のアセテート(半合成繊維)もセルロースが原料。

 

逆に石油・石炭系の化学繊維はほとんどが値が低い(ナイロンに関しては4.5%と高め)

 

 

 

順位 繊維 パーセンテージ(公定水分率)
1位 毛(主に羊毛) 約15%
2位 約12%
3位グループ

絹(生糸)

レーヨン

キュプラ

ポリノジック

約11%
7位 綿 約8.5%
8位 アセテート 約6.5%

 

 

 

[公定水分率の値がの低い主要繊維]

  • ポリエステル=0.4%
  • ポリプロピレン=0%
  • ポリウレタン=1%
  • アクリル=2%

 

 

 

 

[公定水分率の高さ(繊維種類別の傾向)]

 

おおまかにいうと下記のような傾向になる。

 

  • 1位 植物繊維、動物繊維[天然繊維]
  • 2位 再生繊維[化学繊維]
  • 3位 半合成繊維[化学繊維]
  • 4位 合成繊維[化学繊維]

 

 

 

 

 

 

 
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