ツイードの意味と種類
まずはじめに「ツイード」とは?
簡単な一行説明=
短い羊毛などを紡いで作られた太く粗い糸を使った、表面が粗っぽい雰囲気&分厚く防寒性の高い毛織物
詳しい説明
ツイード=tweed
ツイードとは、羊の短い毛やくず糸などで作った「紡毛糸」を用いて織られた、粗っぽい表面の毛織物のこと。
紡毛糸で織られた「紡毛織物」の代表的な存在。
(「紡毛糸」とは、短い羊毛など、短い糸を紡いで作った、粗っぽく温かい雰囲気を持つ糸のこと)
暖かく防寒性が高いことが特徴で、基本的には秋冬系の素材。
フリース商品よりも高級感がある冬用のコート、ジャケットの素材などとして人気。
生地の発祥はイギリス(UK)。
織り方は綾織りや平織り。
綾織の変化形「杉綾織(ヘリンボーン)」のタイプもあり。
使用繊維に関しては、基本的には毛織物であるものの実際には毛以外の天然・化学繊維が使用されており、
日本での市販品は、ハリスツイード以外のツイード生地は毛を使用しているものは多くない。
【生地の表面】
ならめかな肌触りのシルクが絹豆腐とすると、対照的に木綿豆腐のような生地表面。
毛羽立っているため生地の表面が見えないフランネルのような毛織物と違い、
起毛を行わないので基本的には織り目がよく見えるのが特徴。
(ハリスツイードはかなり粗く毛羽立っていて、柄によってはフェルト的に見える生地もあり)
【ツイード生地の主な特徴】
- 防寒性が高い
- 基本的に生地が分厚い
- 使用される糸が太い
- 使用される糸が粗っぽい(例えばシルクとは真逆)
- 太く粗い糸で織るので生地表面も粗っぽい
- 起毛はしないので織り目は基本的にはっきりしている
【ツイード(tweed)という生地名の由来】
英語で「綾織」を意味する"twill"が、英国圏内で間違って"tweel"というスペルで伝わり、
その後、さらにイングランドとスコットランドの間を流れるツイード川(River Tweed)という川があるため、
それにより"tweed"と言う生地名であろうと間違って伝わって販売されていき、tweedとなったというような説が有力。
ツイードの種類(発祥エリアや使用素材によって区別)
ツイードの種類は、牛に松坂牛、神戸牛などエリアに関するブランドがあるように、
同じようなものであるものの、発祥エリアによって種類(名前)が分けられているケースが多い。
その他での分類の仕方としては、使用する糸(繊維)の特徴などにより、特定の名前(通称)が付けられているケースがある。
[発祥・生産地による種類(生地にも細かな特徴あり)]
ハリス・ツイード | 英国スコットランドの中のハリス島などで作られているブランド。 日本でも人気が高いツイードの代名詞的存在。 |
スコッチ・ツイード | 英国スコットランドの羊毛を使用。 日本での流通はあまりなし。 |
ドニゴールツイード | アイルランドのドニゴール地域発祥のツイード。 日本での流通はあまりなし。 |
エジンバラツイード | 英国スコットランド内のエジンバラ産。 楽天などのモールでは見つからず。 |
△アイリッシュツイード | こちらの意味・定義・特徴は整理中 |
[使用する糸(繊維)により名称がつけられているもの]
シャネル・ツイード |
様々な装飾糸や、赤やピンクを中心とした様々なカラー糸を使用するのが特徴。 (こちらはシャネル側が自ら名乗っているのではなく、あくまで通称と思われる。)
|
ループツイード |
ループヤーンと呼ばれる装飾糸を使ったもの
|
サマーツイード |
*こちらは明確な定義は不明であるものの、 「サマーツイード」という名前が付く市販品は、 春夏には向かない防寒性の高い糸ではなく、 吸水性が高い綿などを使用していて涼しげな雰囲気を強調している。
|
ラメツイード | |
[こちらは総称ワード]
ファンシー・ツイード fancy tweed
|
シャネルツイードなど、 様々な装飾糸、カラー糸を使用した、奇抜(fancy)なツイードの総称。 |
[ノンブランド]
ツイード生地の定義は「太く粗い毛で作られた分厚く粗い織物」といった感じのため、
ブランド名をつける必要はなく、これを満たしていればツイード生地として成立する。
そして、他のツイード生地以外同様に、国内各メーカーが自社ツイード生地に
あえて独自ブランド(商標)名を付けているようなケースは特に見当たらないので、
商品説明欄でも「ツイード素材を使用」といった具合にしか書かれていない。
ツイードと名がつく市販品の主な使用繊維パターン
【ハリスツイード商品の使用繊維】
- 羊毛(ウール)100%
【ハリスツイード商品以外の使用繊維パターン】
ハリスツイード以外に関しては、毛(ウールやアルパカなど)が使用されているケースはあまり多くない。
羊毛に似た性質を持つ化学繊維や天然繊維の面など、様々な毛以外の繊維を使用してツイード生地が作られている。
- ポリエステル + 羊毛(ウール)
- 綿 + ポリエステル
- アクリル + 綿
- ポリエステル + アクリル
- ポリエステル + レーヨン + ナイロン
- レーヨン + ポリエステル + ポリウレタン
- 羊毛(ウール) + ナイロン + アルパカ + モヘア
ハリスツイードとは?
Harris Tweed
ハリスツイードとは、北欧地域と言ってもいい北緯60度近くの位置にあるスコットランド北部の、
ハリス島などいくつかの島から成る「ヘブリディーズ(Hebrides)諸島」という極寒地域で作られた、
ツイードの名称で、ツイードの種類(生地のタイプ)ではなく生地ブランドの名前。
"ツイードの王様"と称される。
なお、「ハリスツイード」を生地として使用して商品を製造・販売する場合、
必ず生地のどこかに赤い字で「Harris Tweed」の刺繍(ロゴ)に入っている。
(ポケットなどワンポイント使用の場合など、まれにロゴが入っていないものもあり、詳しいロゴ入れ規定は不明)
逆に、それ以外のハリスツイードっぽい生地を使用している商品にはロゴ刺繍がない。
日本のブランドでも、「ハリスツイード●●●」という商品名で多数のブランドが
「ハリスツイード」を使用した冬用アイテムを販売している。
ロゴ刺繍の表示に関しては、ステーキで例えると三重の松坂から「松坂牛」を素材として購入して
ステーキ商品としてレストランで出す場合、
例えば、販売業者側から商品名に"松坂牛"を入れることが義務化されていると仮定すると、
販売レストランすべてが商品名に「松坂牛ステーキ」と銘打って販売しているような状態。
もしくは、松坂牛を使用した商品を客に出す場合は、お盆に「松坂牛」のロゴカードも
一緒に添えて客に出すことが義務化されているような状態。
特徴はあまりはっきりしないものの、防寒性の高さと高級感、品質の高さあたりが人気のようです。
≪ハリスツイードの特徴など≫
- 厚手
- モノトーン系の生地が多い
- 赤や青などの生地もあり
- 極寒地域の産物のため、防寒性が高い
- フリースやフランネル生地よりも高級感がある
- 千鳥柄(織り方は不明)
- チェック柄(織り方は不明)
- ヘリンボーン柄(ヘリンボーン織り)
- ハリスツイードジャケット
- ハリスツイードコート
- ハリスツイードパンツ
- ハリスツイードシューズ
- ハリスツイード手袋
- ハリスツイード耳マフラー
- ハリスツイードバッグ(リュック)
ハリスツイードの商標刺繍がわかりやすく縫い付けられている主な市販品
![]() |
当店限定モデル ハリスツイード ポーチ HAW-001●日本製 マルチポーチ
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実際のページでは大きなロゴ見られます。
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【内容情報】(「BOOK」データベースより) スコットランドとアイルランドの小さな離島で誕生した2つのクラフトは、様々な“伝説”をともない、いまなお、服飾好きの心を揺さぶる。その伝説の真実とは何か。丹念な現地取材を基に、豊富な情報、叙情あふれる文章と壮麗な写真で、ものづくりの真実に迫る渾身のファッション紀行。 |
シャネルツイードとは?
シャネル・ツイード = chanel tweed
「ファンシー・ツイード」の代表的な存在。
フランス・パリのブランド「シャネル(CHANEL)」が、
シャネル・スーツなどに用いるツイードとして得意としているもので、
様々な装飾系の糸や、赤やピンクを中心とした様々なカラー糸を使用して作り上げられた、
色彩豊かなツイード素材。
*詳しく例をみたいかたはSTYLE.COMなどのコレクションレポートで
各シーズンのシャネルのパリコレレポートにアクセスし、モデル画像を拡大して確認してみてください。
ループツイードとは?
loop tweed
「ループツイード」とは・・・・・
ループヤーンと呼ばれる、糸の表面に不規則な間隔で不規則な大きさの
「輪(ループ)」を作った特殊な糸のこと。
そしてループツイードとは、そのループヤーンを使って作り上げた、
表面に不規則に輪が表れるツイードのこと。
*わかりにくい場合は、ネットのモール内で「ループツイード」で商品検索し、
布地画像を拡大して確かめてみてください。
△ヘリンボーンツイード
もともとは毛織物であったと思われるものの、
現在では綿、麻や化学繊維まで、毛が使用されていないタイプも多い「ヘリンボーン生地」のうち、
太い毛で粗く織られたヘリンボーン生地は「ヘリンボーンツイード」と呼ばれる場合があり。
織り方・柄の一種的な意味合いではあるものの、
考え方によってはツイードの種類の一つと考えて良いと思われる。
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