デニム生地とダンガリー生地の違い (+シャンブレー生地)
分類
天然繊維 > 綿 > 綿織物 > デニム
天然繊維 > 綿 > 綿織物 > ダンガリー
デニム(デニム生地)とは?
一行説明 = たて糸に染色糸、よこ糸に白糸の綿糸を使って織られた厚手気味の綿織物のこと
詳しい説明
デニムとは、
フランスの「ニーム産のサージ(Serge de Nimes)」が語源。
(サージの説明は省略)
「デニムパンツ」「デニムジャケット」あたりが主なデニム生地使用商品で、
ダンガリー生地とは違い、トップス商品、ボトムス商品両方に用いられる。
【デニム生地の定義】
■たて糸に染色糸(藍色やブルー系)
■よこ糸に白糸
■織り方=綾織り
たて糸にブルー系の染色糸、よこ糸に白糸を使用し、「綾織り」で織った厚手気味の綿織物を指す。
(薄手のデニムシャツもあり)
【綾織り(別名=斜文織)とは?】
ウネが斜めに現れる織り方のこと。
この糸使いで綾織りの織り方をすると、2/3の確率で染色糸が表に表れ、
1/3のペースで白のよこ糸の下に染色糸が潜る形になるため、染色糸の色が強い生地になる。
【デニム生地の構造見本画像】

【綾織り(斜文織り)生地の基本構造】

- デニムパンツ
- デニムジャケット
- デニムスカート
- デニムバッグ
- 綿100%
- 綿ほぼ100% + ポリウレタン少々
- 綿 + ポリエステル + ポリウレタン少々
- 綿ほぼ100% + ポリエステル少々 + ポリウレタン少々
- 綿 + レーヨン + ポリエステル + + ポリウレタン少々
ダンガリー(ダンガリー生地)とは?
一行説明= デニムとは逆に、よこ糸に染色糸、たて糸に白糸を使って織られた薄手気味の綿織物のこと
詳しい説明
「ダンガリー」は"dungaree"と書き、
日本語でもそのまま「ダンガリー」と呼ばれる生地。
これを使用した商品としては大半が「ダンガリーシャツ」。
一方で、デニムとは違い、「ダンガリーパンツ」「ダンガリースカート」のような
ボトムス商品はネットのモールで見る限りではほとんど存在せず、
トップス商品の素材として使用されるケースが大半。
【ダンガリー生地の定義】
■たて糸に白糸
■よこ糸に染色糸(藍色やブルー系)
■織り方=基本的に綾織り
たて糸に白糸、よこ糸にブルー系の染色糸を使用し、「綾織り」で織られた、
基本的にデニムよりやや薄手の綿織物を指す。
なお、ブルー生地が大半であるものの、赤系・黒系の糸を使用した生地もまれにあり。
この織り方の場合、2/3の確率で白いたて糸が表に表れ、
1/3の確率でたて糸の白糸がよこ糸の染色糸の下を潜る形の生地になるため、
染色糸よりも白糸が目立つ生地になる。
[注意点]
もともとの定義としては「綾織物」であることが定義とされているものの、
ネット上の「ダンガリー」と名がつく商品を拡大してみると、
綾織ではなく、平織りらしき生地の商品もまれに見当たります。
そのため、最新の定義として「綾織物」であることが絶対条件になるのかは不明です。
【ダンガリー生地の構造見本画像(綾織りの場合、平織りの場合)】

- ダンガリーシャツ
- ダンガリーワンピース
- ダンガリーブラウス
- ダンガリーガウチョパンツ
- ダンガリージャケット
- 綿100%
- 綿 + 麻 + ポリウレタン少々
- 綿 + レーヨン
- 麻100%
- レーヨン + ポリエステル + ポリウレタン少々
デニム生地とダンガリー生地の違いとは?
デニムとダンガリーの主な違い。
比較項目 | デニム (Denim) |
ダンガリー (Dungaree) |
生地の厚さ | ダンガリーよりも厚手 (傾向として。薄手のものもあり) |
デニムと比べると薄手 |
糸の使い方 | ■たて糸に染色糸 ■よこ糸に白糸
★2/3の確率で染色糸が 表面に浮くため、 染色糸の色が強い生地になる。 |
■たて糸に白糸 ■よこ糸に染色糸
[綾織の場合] ★2/3の確率で 白い糸が表面に浮くため、 デニムより白が強い生地に。
[平織の場合] 白糸と染色糸の露出比率は半々
|
対応シーズン | 厚手のため、冬場でも着られる (デニムジャケットなど) |
薄手のため、冬場の服素材 としては向かない (ダンガリーシャツに関して) |
主な商品 | デニムパンツ デニムジャケット オーバーオール デニム帽子 デニムワンピース デニムスカート |
ダンガリーシャツ シャツワンピース ブラウス |
衣類以外での使用 | バッグ・小物の素材 としても使用される |
バッグ・小物の素材 としては使用されない |
*白糸は「漂白糸」という表現でもOK。
*どんな商品の素材として使用されているかの傾向は、ネットモール出品品のみを参考にしています。
*ごく一部、例外が存在する可能性がありますが、ご了承ください。
[逆にデニムとダンガリーの共通点]
- 基本的に使用素材が「綿100%」である点
- 基本的にブルー系生地である点
ダンガリー類似素材「シャンブレー」とは?
簡単な一行説明= 綿製か麻製が中心で薄手の、主に夏場のシャツ向けのカラー展開豊富な素材
詳しい説明
シャンブレー=chambray
ダンガリー生地によく似た、薄手のシャツ系素材。
ものによってはやや透け感があるほど薄いタイプもあり。
シャツなどのトップスでの使用が多いが、夏場における薄手のボトムスの素材としても使用される。
なお、デニムやダンガリーのような「綾織物」でなく平織物で、
白糸と染色糸が表に現れるため、細かな霜降り(チェック柄)のような感じになる。
[生地の色]
青系が多いものの、デニムやダンガリーとは違って様々な色の生地があり、
全体的にはパステルカラー系の淡い色の生地が多い。
(シャンブレー素材を使用した商品のうち、青系であるのはネットのモールを見る限り半数程度)
[素材]
綿100%が多めながら麻100%も多く、その他ポリエステルやレーヨンなども使用される。
この点がデニムやダンガリーとは違う。
【シャンブレー生地の基本的な定義】
■たて糸=染色糸(ブルー系中心ながら、黄色、グレイ、オレンジなど様々)
■よこ糸=白糸
■織り方=平織り
【平織りとは?】
*平織りとは、たて糸とよこ糸を交互に交差させていく織り方。
交互に交差させるため、至近距離で見ると極小のチェック柄のような構造になる。
【シャンブレー生地を使用した主な商品】
- シャンブレーシャツ
- シャンブレーポロシャツ
- シャンブレーブラウス
- シャンブレースカート
- シャンブレーパンツ
- シャンブレーネクタイ
【主に流通しているシャンブレー生地の色】
濃い色ではなく、パステルカラー(淡い色)が多い。
一部、デニムのような藍色・紺色系の生地もあり。
- 水色系
- 薄紫系
- 赤系
- ライトイエロー
- ホワイト系
- ミントグリーン系
- 藍色(ネイビー)系
【シャンブレー生地の主な使用繊維パターン】
麻やポリエステル、レーヨンあたりを使用した商品も多い。
麻100%のものは「リネンシャンブレー」という名称がついて販売されている。
- 綿(コットン)100%
- 綿(コットン) + 麻
- 麻100%
- 麻 + レーヨン
- 綿(コットン) + ポリエステル
- 綿(コットン) + キュプラ
- 綿(コットン) + レーヨン
- ポリエステル100%
- ポリエステル + 綿(コットン)
- ポリエステル + ポリウレタン
【平織りの構造】

シャンブレー生地はデニムやダンガリーとどう違うか?
まず、デニムやダンガリーと比較し、
「麻製もあるが、綿を使用したものが多い点」や、
「片方に白糸もう片方に染色糸を使用した生地(先染め生地)」である点あたりは、
デニムやダンガリーと共通。
そして、個別に違いを考えた場合は以下の通り。
【シャンブレーとダンガリーの違い(薄手である点は共通)】
ダンガリーは「綾織物」と定義した場合。
- ダンガリーは綿100%が基本だが、シャンブレーは麻100%タイプも多い。
- ダンガリーは大半が青色・藍色系の生地だが、シャンブレーはカラー展開が豊富
- シャンブレーはたて糸に染色糸を使うが、ダンガリーはよこ糸に染色糸を使う
- シャンブレーは「平織物」、ダンガリーは「綾織物」。
【シャンブレーとデニムの違い(たて糸に染色糸を使う点は共通)】
- デニムは綿100%が基本だが、シャンブレーは麻100%タイプも多い。
- デニムは基本藍色系の生地だが、シャンブレーはカラー展開が豊富
- シャンブレーは薄手のため、冬場には向かない
- シャンブレーは「平織物」だが、デニムは「綾織物」
<平織物と綾織物の違い>
平織物は頑丈な織り方のため、伸縮性には欠けるが耐久性が高い生地ができる織り方、
綾織物は耐久性では平織物に負けるが、伸縮性では平織物に勝るほか光沢感のある生地ができる。
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