半合成繊維とは?
簡単な一行説明=
天然物を原料として化学的工程を経て作った、天然繊維と化学繊維の中間に位置する繊維
詳しい説明
簡単な単語ではないものの、一般的な定義としては、
「セルロースなどの天然物を化学的処理を施して繊維にしたもの」というような意味。
原料は天然物であっても、製造途中で化学的工程が存在するため、
分類的には天然繊維扱いではなく、再生繊維同様に「化学繊維」の中に分類される。
セルロース系の「ジアセテート(アセテート)」と「トリアセテート」が代表的な存在。
主な半合成繊維の種類
- ジアセテート・・・・・セルロース系。絹系
- トリアセテート・・・・・セルロース系。絹系
- プロミックス・・・・・たんぱく質系。絹系
アセテートとジアセテートとトリアセテートの言葉の意味や特徴の違いなど
アセテート
[繊維名称(種類)] |
アルファベットで書くと「acetate」。
こちらは繊維自体の名称(種類)。 この中に「ジアセテート」と「トリアセテート」が含まれる。
【アセテート繊維の特徴】 絹に似た雰囲気の半合成繊維。 「アセテート・レーヨン」とも呼ばれ、略称が「アセテート」。
【アセテート繊維のおおまかな製造方法】 木材パルプに含まれるセルロース(繊維素)を酢酸で反応させて作る。
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ジアセテート
[アセテートの種類] |
略称は「ジアセ」
アルファベットで書くと「di-acetate」。 そして、"di"とは「2つ」という意味。
セルロースに付く酢酸基の数が2つのタイプが「ジアセテート」にあたる。 ただし、「ジアセテート=アセテート」として基本的に扱われる。
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トリアセテート
[アセテートの種類] |
略称は「トリアセ」
アルファベットで書くと「tri-acetate」。 そして、"tri"とは「3つ」という意味。
セルロースに付く酢酸基の数が3つのタイプが「トリアセテート」にあたり、 ジアセテートよりも合成繊維に近い繊維。
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ジアセテート(アセテート)とは?
アルファベットで書くと 「di-acetate」。
"ジアセテート"という言葉が使われることはあまりなく、
このジアセテートが一般的に「アセテート」として扱われる。
トリアセテートと比べると衣類利用は少なめであるものの、
トリアセテート商品同様にもっぱら婦人服に利用されており、
紳士服での利用は特に見当たらない。
ナイロンや綿と合わせて生地にされるケースが多い。
【特徴】
- 絹に似た光沢感を持つ
- 弾力性がある
- 保温性が高い
【弱点】
- 吸湿性が低い
【アセテートが使用される主な製品】
- ニット商品(カーディガン、プルオーバー)
- ワンピース
- シャツ
【合わせて生地にされる主な繊維】
- ナイロン
- 綿(コットン)
- ポリエステル
トリアセテートとは?
triacetate(triacetate fiber)
「トリアセ」と略される場合もあり、
商品名の中に「トリアセ」という言葉が入っている場合も多い。
こちらも光沢感が特徴。
厚手の生地にしたものはハリ感がある。
なお、ジアセテートよりも合成繊維に近いため、
他の合成繊維同様にジアセテートよりも吸湿性が低い。
アセテートよりも衣類への利用が多く、
エレガントな雰囲気の婦人服商品の素材として使用されるケースが多い。
なお、市販品はポリエステルや綿と一緒に使われて生地にされる。
【特徴】
トリアセテート特有の特徴(強み)は、ジアセテートよりも熱に強い点。
【弱点】
吸湿性が低い(ジアセテートの半分くらいの低さ)
【トリアセテートが使用される主な製品】
- ブラウス
- スカート
- ワンピース
- バッグ
*こちらはニット商品の素材になっている例は見られない。
【合わせて生地にされる主な繊維】
- ポリエステル
- 綿(コットン)
*トリアセテート7割+ポリエステルor綿3割のケースが多い。
*市販品においてトリアセテート100%の生地は基本的に見つからない。
ジアセテートとトリアセテートの違い
ジアセテート (アセテート) |
■ジアセテートのほうが吸湿性が高い ■耐熱性ではトリアセテートに劣る ■ジアセテートはニット商品の素材としてよく使われる |
トリアセテート | ■ジアセテートよりも吸湿性が低い ■ジアセテートよりも耐熱性に優れる ■トリアセテートはニット商品の素材としては使われない |
[主な共通点]
- セルロース系の半合成繊維である点
- 伸縮性は同様
- 繊維自体の重さは同様
- 生地の強さ(引っ張りに対する強さ)は同様
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