混紡と交織
混紡(こんぼう)とは?
簡単な一行説明=
糸になる前の繊維段階で、2種類以上の繊維を混ぜて紡いで糸を作ること
詳しい説明
「混紡」とは、英語では"mixed-spun"。
spunはspin(紡ぐ、紡績する)の過去・過去分詞形。
"mixed-spun"は、「繊維を混ぜて紡いだ」という意味になる。
そして、「混紡糸」は"mixed-yarn"となる。
意味は、糸になる前の段階で、なんらかの目的のために2種類以上の繊維を混ぜて糸を作ること。
一番わかりやすいのは、ボトムス商品などにおいて、動きやすさを促進するため、
ストレッチ素材の「ポリウレタン」が様々な繊維に少々混紡される例。
2種類から3種類の混紡が中心ながら、5種類くらいの繊維が混紡されるケースもあり。
【混紡の主な目的】
- メインの繊維の欠点を補うために、なんらかの特徴をもった繊維が混紡される
- 機能を追加するためになんらかの目立つ機能を持つ繊維が混紡される
- メインの繊維が高価な場合(絹など)、市場価格を下げるために別の繊維が混紡される
- 片方の糸がその特徴により単独では紡ぎにくい場合、別の繊維が混紡される
【混紡の主なパターン】
- 伸縮性が低い繊維(麻や綿など) + ポリウレタン[ストレッチ素材]少々
- 綿 + ポリウレタン少々
- 麻 + 綿 + ポリウレタン少々
- 羊毛 + ポリエステル
- 羊毛 + アクリル
- 絹(シルク) + レーヨン[=人造絹糸]
*他の繊維の数十倍もの伸縮性をもつストレッチ素材の「ポリウレタン」は、
基本的にポリウレタン100%で使用されることはなく、
様々な繊維に伸縮性を加えるために多様されている混紡専門系の素材。
5%くらい混紡するだけでも、かなり伸縮性が増強される。
交織(こうしょく)とは?
簡単な一行説明=
(基本的に)いずれかの繊維100%で作った糸通しを、例えばたて糸とよこ糸に使って織る織り方のこと
詳しい説明
*以下は基本的な説明(一部、例外がある可能性あり)
いずれかの繊維を100%使用して作った糸通しを使って織物を織ること(織り方)。
別名は「混織(まぜおり)」。
交織によって織られた織物は「交織織物」。
例えば、たて糸に綿100%の糸、よこ糸にポリエステル100%の糸を使用して織られるような形。
もしくは織物の大半を1種類のたて糸&よこ糸で作った織物の一部だけに別の糸を使用して織りこむ形など。
元々は綿織物の一部に絹糸が使用される、というような形などが中心だったとされるものの、
現在では様々なパターンがある。
【主な交織例】
- 木綿糸 + 絹糸
- 木綿糸 + ポリエステル糸
- 絹糸 + 毛(羊毛)
混紡と交織の違い
*基本的な違い(該当しないケースもある場合あり)
- 混紡=糸になる前の段階で複数の繊維を混ぜて紡ぐこと
- 交織=特定の繊維を100%使用して混紡せずに作った糸通しを使って織物を織ること
[以下は今のところ不明]
片方の糸が特定繊維100%の糸で、もう片方が混紡糸の場合、
この2種類の糸をそれぞれたて糸&よこ糸に使用して織った織物は、
「混紡織物」に該当するのか、「交織織物」に該当するのかは今のところ不明。
*混紡と交織の定義はややあいまいな部分があるため、
時代の変化や、優秀な機能を持つ新たな化学繊維の誕生などにより、
定義がずれていき、このページに書かれていることがあてはまらなくなる場合があります。
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