スーパー繊維とは?
「スーパー繊維」とは。
"汎用繊維"と並ぶ化学繊維の大分類の一つ。
日本化学繊維協会HPを参考にすると、厳密な定義はないということであるものの、
「高強度、高弾性率の性能をもつ繊維 = スーパー繊維」
具体的には、
強度= 約2GPa以上
弾性率= 約50GPa以上
が目安とのこと。
一方で、高い耐熱性や難燃性を持つ繊維のことは「スーパー繊維」ではなく
「高機能繊維」と言う呼称で呼ばれる。
[参考資料]
日本化学繊維協会HPの各公開資料など参考
スーパー繊維の種類
日本化学繊維協会HPにおいて、
「高強度、高弾性率繊維」に分類されている主な繊維。
- パラ系アラミド繊維・・・・・ナイロンの一種。ひっぱり強度はナイロンの2.5倍
- 超高分子量ポリエチレン繊維
- ポリアリレート繊維・・・・・強度がポリエステルの約4倍
- PBO繊維・・・・・引っ張り強度はナイロンの約5倍
- △炭素繊維・・・・・炭素繊維はスーパー繊維に該当するのかはまだはっきりとは不明
[アラミド繊維]
分子構造により、2つに分かれる(パラ系とメタ系)。
パラ系は強度に優れ、メタ系は耐熱性に優れる。
もう一つのメタ系は「高耐熱性繊維」に分類
化学繊維における紡糸法
「スーパー繊維」と「汎用繊維(ポリエステル、ナイロンなど)」では、紡糸法に違いがある。
スーパー繊維の紡糸法 |
[ゲル紡糸] 超高分子量ポリエチレンなどはこの方法
[液晶紡糸] アラミド繊維、PBO繊維などはこの方法
*工程に関しては複雑で説明が難しいため、 他の資料をご参照ください。
|
汎用繊維の紡糸法
[主な該当繊維] ポリエステル ナイロン アクリル レーヨン アセテート
|
紡糸法は3種類。
*詳しい種別は他のページに情報あり
|
[汎用繊維]
"汎用"とは、幅広い方面で用いられることを表す言葉。
そして化学繊維においては、ポリエステル、ナイロン、アクリル、レーヨンなど、
衣類分野を中心に幅広い商品の材料として用いられる化学繊維のことを示す。
炭素繊維(carbon fiber)
carbon=炭素
fiber=繊維
「炭素繊維(たんそせんい)」とは、
英語でいうと「carbon fiber」。
「PAN系」と「ピッチ系」という2種類があり、
釣竿、スポーツ用品、自動車部品や航空機材料などに使用されている。
【定義】
炭素が強く結びついた繊維のこと。
金属と比べて軽いことや、強度・弾力に優れることあたりが主な特徴。
【特徴】
- 軽い
- 強い
- 耐熱性に優れる
- 耐薬品性に優れる
【PAN系とピッチ系の比較】
項目 | PAN(Polyacrylonitrile)系 | ピッチ系 |
定義 | アクリル繊維を高温で焼いて作るもの | ピッチ(石油や石炭を蒸留した後の残りカス) を原料とするもの |
個別特徴 | 高強度 高弾性率 |
不明 |
使用される製品 | 自動車部品 航空機 |
不明 |
*この他の違いは整理中。
【主な使用用途】
- スポーツ用品(ラケット、ゴルフクラブ)
- 釣竿
- 自動車部品
- 航空機材料
- 建築物の耐震補強材
- レーシングカー
- 自転車
- 風車
【炭素繊維製造メーカー】
- 東邦テナックス(帝人グループ)・・・・・製品名は「テナックス」でPAN系
- 三菱レイヨン・・・・・PAN系の「パイロフィル」と、ピッチ系の「ダイアリード」を製造
三菱レイヨン「パイロフィル」HP
https://www.mrc.co.jp/pyrofil/index.html
[注記]
炭素繊維が「スーパー繊維」に入るかどうかはまだはっきりしないため、
もし入らないことははっきりした場合は、炭素繊維の記述を別のページに移動する場合があります。
[関連繊維(詳細不明)]
- 黒鉛繊維・・・・・炭素繊維の一種。熱処理温度が2000度未満だと炭素繊維、2000度以上だと黒鉛繊維というようですが詳しいことはまだ不明
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