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[新設] 在宅中に楽しく読める服飾系トリビア

[新設] 年度別流行/服飾史(在宅中に楽しく学習可)


フランネル(フランネル生地)とは?

 

 

一行説明 = (主に)羊毛を使って織った生地を起毛させて作った、柔らかく暖かい雰囲気のフエルト系生地

 

 


 

詳しい説明

 

生地の略称は「ネル」。

なお、厚手のものは「フラノ」と呼ばれる。

また、毛ではなく綿で作ったものは「綿フランネル」という。

 

 

 

【フランネルの特徴】

  • 同じくフェルト系の毛織物であるメルトンと比べると薄手
  • 柔らかい
  • 温かい(保温性が高い)
  • 弾力性がある

 

 

■元々の意味・・・・・

元々はイギリスのウェールズ地方で"ウール"を意味する言葉で、

ウェールズ地方で織られた毛織物の名称であった。(ユニクロHP参考)

 

紡毛糸を使用して生地が作られるが、

綿糸などから作られるものもあり、綿糸を使用したものは「コットン・フランネル」と呼ばれる。

 

 

 

■現在の意味としては・・・・・

原産国を問わず、"平織か綾織で織られた紡毛織物"という意味で、

表面がフリースのように起毛されているため、防寒性が求められる秋冬服の素材に最適で、

フランネルを使用した「ネルシャツ(フランネルシャツの略)」が秋冬の暖かい衣料の定番となっている。

 

ネルシャツの他、ブレザーやパジャマ地などにも使用される。

 

なお、「チェック柄」が定番であるもの、

チェック柄であることがフランネル生地の定義というわけではない。

 

 

 

 

 

フランネル生地(素材)の作り方

 

 

1. 羊毛を平織りか綾織りで織って織物(生地)を作る。

2. 縮絨する

3. 出来上がった生地の両面を起毛させて(毛羽立たせて)生地を完成させる

 

 

*フランネルの表面がいまいちわからない、すぐ知りたいという場合は、

ネルシャツを手に取って間近でご覧になってお確かめください。

 

 

 

 

<紡毛糸とは?>

短い毛(ウールなど)から作った柔らかい雰囲気の糸。

 

 

<平織り・綾織りとは?>

ここではあまり重要ではないので説明は省略します。

 

 

<縮絨(しゅくじゅう)とは?>

毛織物における仕上げ工程のことで、組織を緻密(ちみつ)にするため、

石鹸溶液などに湿らせたり、熱や圧力を加えることなどにより、毛同志を絡ませてフエルトっぽくすること。

 

 

 

ネルシャツとは?

 

 

デニム生地を使用したパンツが「デニムパンツ」と言われたりするように、

フランネルをそのまま使用しているため、商品名にもフランネルという生地の名前が

入っている長袖のシャツのこと。

 

日本では、「フランネルシャツ」と呼ばれることはほぼなく、

「ネルシャツ」という名称で定着しており、

逆に「フランネル」の意味がわからないという人も多いことで知られる。

 

毛羽だった柔らかいフランネル生地を使用したシャツ商品のため、

夏に着られるTシャツとは反対に、秋冬用の暖かいカジュアルシャツの定番となっている。

 

 

 

【ネルシャツの特徴】

 

  • 長袖で襟あり
  • 基本的に生地はチェック柄(チェック柄でないとネルシャツとは言えないというわけではない)
  • 胸ポケットはあるものとないものに分かれる

 

 

 

 

 

フランネル生地を使用した主な商品

 

 【フランネル生地を使用した主な商品

 

  • フランネルシャツ(通称=ネルシャツ)・・・・・冬場の長袖シャツの定番
  • ブレザー
  • フランネルスカート
  • フランネルパンツ
  • フランネルドレス(ワンピース)
  • パジャマ

 

 

 【フランネル商品の主な材料パターン】

 

  • 毛(ウール)100%
  • 綿100% = 綿フランネル
  • 毛(ウール) + レーヨン
  • 毛(ウール) + ナイロン + アクリル

 

 

 

【類似素材】 サキソニーとは?

 

サキソニー(サクソニー)とは、"Saxony"と書く。

 

メリノ種(優れた毛を持つ羊)の羊毛で作った、柔らかさが特徴の薄手の毛織物のこと。

 

起源がドイツのサキソニー(ザクセン)地方であることが生地の名前の由来。

 

 

【特徴】

  • 薄手
  • 弾力性がある
  • 柔らかい
  • 類似生地のフランネルと比べると織物的

 

 

 

【サキソニー生地の作り方】

 

1. メリノ種(優れた毛を持つ羊)の羊毛を平織り or綾織りで織って生地を作る

2. 縮絨する

 

 

 

 

【サキソニー生地を使った主な商品】

  • サキソニーパンツ
  • サキソニースカート
  • サキソニージャケット

 

 

 

【サキソニー生地の材料のパターン】

  • 毛100%
  • 毛ほぼ100% + ポリウレタン数パーセント
  • 毛 + ポリエステル
  • 毛 + レーヨン + ポリウレタン
  • ポリエステル + レーヨン 
  • ポリエステル + レーヨン + ポリウレタン
 
 
*毛ほぼ100%のものが大半ながら、たまに毛が使用されていないものもあり。

*ボトムス商品などにストレッチ性を持たせたい場合、

毛100%ではなく、ポリウレタンが数パーセント配合されるケースが多い。

 

 

 

 

 

フランネルとサキソニーの共通点と違い

 

【共通点】

 

  • 共に薄手の生地である点
  • 共に柔らかい生地である点
  • 弾力性がある点
  • 基本的に毛織物である点(ただしフランネルは綿製も多い)

 

 

 

【違い】

 

生地名 特徴(違い)
フランネル

 

  • サキソニーよりもややフエルト的
  • カジュアル寄りの素材である
  • フランネルは毛だけでなく、綿製の生地も多い
  • フランネルは保温性が高い

 

サキソニー

 

  • フェルト的なフランネルよりもやや織物的
  • フォーマル寄りの素材である
  • フランネルと違って毛がほぼ100%の生地が大半
  • サキソニーは一般的には保温性が高いとは言われない

 

[注記]

 

ただし、フエルト的でフランネルかサキソニーか見分けがつかないものもあり

 

 

 

 

*各商品により使われる素材が違うため、上記の例が当てはまらないケースもあります。

*複雑な部分があるため、他に違いが発覚した場合や、微妙な解釈の違いが発覚した場合は情報を修正させていただきます。

 

 

 

 

フランネルと類似素材の違い

 

フランネルとメルトンの主な違い ■メルトンのほうが厚手
ツイードとフランネルの主な違い

■ツイードは基本的に厚手素材

■ツイードは起毛を行わない

(そのため、基本的にツイードはフェルト的ではない)

 

 

 

 

 

 

 
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