超人気女性誌「ハルメク」は半年かけて毎号の雑誌を制作する

 
1990年代まで人々にとって重要な情報源であった雑誌というメディア。
 
しかし21世紀に入ると、
インターネットの普及により少しずつ存在感を薄めていき、
2010年代に入ると「雑誌離れ」が鮮明になっていった。
 
 


 
 
そんな中でもインターネットをやらない人、
スマートフォンの操作をしないが多いシニア世代の女性をターゲットとする
旧「いきいき(のちのハルメク)」という定期購読専門の紙雑誌は、
21世紀に入ってからの雑誌不況のあおりを受ける事なく、繁栄し続けた。
 
2007年には、その人気ぶりが話題となって、
テレビ東京系の「カンブリア宮殿」に取り上げられるまでになり、
番組には当時の片寄斗史子編集長が登場。
この番組の放送を通じて、定期購読雑誌「いきいき」の存在は広く世間知れ渡った。
 
しかし、そんな「いきいき」も2010年代に入ってから危機が訪れ、
2016年に社名「いきいき株式会社」から「株式会社ハルメク」へと変更すると共に、
雑誌の名前を「ハルメク」へと変更。
 
 
2017年には主婦と生活社にて素晴らしいキャリアを築き上げてきた
「女性誌編集のプロ」、山岡朝子氏を新たな編集長に迎えた再スタートを切った。
 
山岡氏はハルメクをシニア誌ではなく「女性誌」と位置付け、
読書の声に積極的に耳を傾けながら匠な戦略で誌面を作っていき、
それが功を奏して危機状態だったハルメクの部数は右肩上がりの状態に。
 
大半の紙雑誌が部数を維持するのが精いっぱいであるほか休刊も続出し、
「紙の雑誌が部数を伸ばすのはほぼ不可能」
と言われるようになった2010年代後半に雑誌の部数アップに大きく貢献した事で、
カリスマ編集長として沢山のメディアに取り上げられるようになった。
 
その中で、視聴者に大きなインパクトを与えたのが、
1つの号を完成させるのに費やしている時間の半端なさ。
 
 


 
 
では、ハルメクが1つの号を完成させるのにどれくらいの時間をかけているのかというと、なんと「半年」。
 
つまり、発売の半年前から企画/制作をスタートさせている。
(作品の発表と発売まで半年のズレガあるファッションショーの世界と似たところがあり)
 
山岡編集長のテレビでの発言によると
一般的な雑誌とは企画スタートから発売までの期間が3カ月程度だという。
 
それに対してハルメクは通常の制作期間となる3カ月のさらに3カ月前、
つまり発売の半年前から企画/制作をスタートさせる。
 
具体的には半年の制作期間のうち

  • 最初の3カ月=調査期間(3カ月かけて企画を決める)
  • 後半の3カ月=制作期間

というスケジュールになっているとの事。
 
前半の調査期間3カ月に様々なデータ分析を行い、
読者に必ず喜ばれるような企画を絞り込んでから
後半の制作期間に入る事が、この雑誌のクオリティの高さの源となっているという。
(他の雑誌は、毎号の編集自体が大変なため、そこまでの調査をしない)
 
そんな山岡氏手がけるハルメクは部数をどんどん伸ばしていき、
40万部近い驚異の部数を誇る女性誌へと成長。
この偉業は不況にあえぐ雑誌業界で働く人々にとっての希望の光となっている。
 
 


 
それでも2020年代に入って、ますます紙雑誌離れは進むが
一方でシニア世代のスマホ/インターネット使用率が上がる中、
ハルメクについてもデジタル雑誌へと移行、
もしくはWEBマガジンへの移行といった事態が起こる可能性はあるが、
そうなったとしても、現在のカリスマ編集長が活躍する限りは
電子メディアを含めたハルメク事業は繁栄し続ける事であろう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 
メニュー1 TOPページはこちら
(インパクト強い情報ばかり)
 

 
 
メニュー2
(トリビアとしては、ややインパクト薄めの情報)

 
商品名の由来/語源系

 
 
 
インパクトが大きい情報を集めた
「メニュー1」は
トリビア情報TOP
にあります。