ミラノメンズにはかつてパリメンズよりランクが高かった時期がある
パリ・ミラノ・NY・ロンドンの4都市から成る
ハイファッション界のBIG4(4大コレクション)の中で、
フランスのパリで開催されるパリコレクションは圧倒的な注目度を誇る。
ただし、ファッションの世界とはどの分野においてもレディースが中心で、
メンズ分野はそのおまけのようなところがあり。
そういった事情もあり、1980年代あたりの段階では
パリコレのレディース部門とメンズ部門には大きな注目度の差があった。
一方、1970年代にイタリアのミラノでスタートした
ミラノコレクションは、ジョルジオ・アルマーニが1970年代半ばに
「ジョルジオ・アルマーニ」を立ち上げ、この全世界の男性層に愛される
ブランドコレクション全体の顔となっていく。
さらに1980年代初頭には若者向けの「エンポリオ・アルマーニ」も立ち上げ、
アルマーニ社はミラノコレクションにおける影響をさらに高めた。
さらに「ミラノの3G」と呼ばれるアルマーニ以外の2人、
ジャンニ・ヴェルサーチやジャンフランコ・フェレもメンズ事業に積極的で、
現在はメンズショーをパリで発表しているValentino(イタリアのブランド)も
まだパリに発表の場を移動していなかった事により、
1990年前後の世界のメンズファッションシーンにおいては
パリメンズコレクションよりもミラノメンズコレクションのほうが
- 総合的なランク
- メディアからの注目度
- モデルとしての出演ステータス
などが高い時期が存在した。
当時のメディアでの扱われ方もみても、それは明確。
【具体的な1990年前後の主なミラノメンズ参加ブランド】
- ジョルジオ・アルマーニ
- エンポリオ・アルマーニ
- バレンティノ
- ジャンニ・ヴェルサーチ
- ジャンフランコ・フェレ
- ドルチェ&ガッバーナ
- Krizia Uomo
- ロメオ・ジリ
- ミッソーニ
- ミラ・ショーン
- ルチアーノ・ソプラーニ
- エンリコ・コヴェリ
- トラサルディ
- Byblos
- ジュリアーノ・フジワラ(日本人デザイナー、藤原喜章のブランド)
その後、
- パリにおいて1990年代後半にルイヴィトンが遂に衣料事業に進出し、パリメンズコレクションにも参加するようになった
- 2001年にクリスチャン・ディオールが「Dior Homme」を立ち上げ、より本格的にメンズ事業に取り組むようになった
- その流れの中で、他のパリブランドもメンズ事業/メンズショーにさらに力を入れ出した
こういった流れにより、ミラノ優位からパリ優位の状態となっていく。
さらに2010年後に
- ミラノメンズに参加していたイタリアブランドのValentinoがミラノを捨てて2008年からパリメンズコレクションに参加するようになった
- NY系のラルフローレンとカルバンクラインがミラノでショーを開催しなくなった
- バーバリーのメンズショー開催地がミラノから母国・ロンドンに移った
こういった動きも起き、2020年時点ではパリメンズコレクションに比べ、
ミラノメンズコレクションの注目度は明確に低く、全盛期の勢いを失っている。
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