「ライセンスビジネス」という斬新なビジネスモデルを考案したのはピエール・カルダン
いわゆる「ライセンスビジネス」とは、
今では世界中のアパレル業界において、ごく当たり前のビジネスモデルとして存在する。
具体的に言うと、「ライセンスビジネス」とは
名義貸しビジネスで、金融会社がお金を貸して利息をもらうビジネスと同じようなもの。
つまり、例えば国際的に高い名声を得ているブランドが、
そのブランド名をうまく活用してビジネスしたいという外部企業と契約し、
外部企業の商品に、自分達のブランド名を冠した商品を市販する事を許可し、
名前を貸す替わりに、外部提携企業から一定のお金を貰うというビジネスモデル。
(名前を貸す側のブランドは、ブランドイメージに反していないかなど、
監修を行うだけで商品の企画・デザイン・生産には基本的に深くかかわらない)
そんなビジネスモデルを立ち上げたのは、
日本でも有名なフランスのファッションデザイナー、ピエール・カルダンだった。
ココ・シャネルなどと並んで
パリモード界の異端児であったピエール・カルダンは
1960年前後から
- オートクチュール協会メンバーながら対極的なプレタポルテに進出し、ファッションの民主化を主導
- 現地の西洋人モデルだけでなくアジア系・アフリカ系モデルにも門戸を開く
- レディース中心のパリモード界の中でメンズビジネスも積極的に展開
など、革新的な活動を次々に展開。
それによって一時期はメンバー達からの反感を買ってオートクチュール協会から追放されるほどであった。
そんな彼はアイデアマンとして知られるが、
プレタポルテ進出などと共に当時力を入れるようになったのが、
高まったブランド価値を巧みに利用し、
自らは服作りの技術しか持っていない中で外部の専業企業と次々に提携し、
衣料だけでなく、ありとあらゆる分野において
「pierre cardin」
というブランド名が冠された名義貸し商品が誕生し、それぞれの商品は世界中で大ヒット。
その後、自分の名前を安易に安売りしない方針のデザイナーも多くいる一方で、
高いビジネスセンスをもつデザイナー達から真似され、
彼が考案した「ライセンスビジネス」は
世界のアパレル業界において当たり前のものとなった。
ちなみに、日本で有名な系ブランドで言うと、
- ミッシェル・クラン
- ポールスミス
- キャサリン・ハムネット
などがライセンスビジネスに積極的な存在として有名。
日本産ブランドで言うと
- HANAE MORI・・・・・・・カルダン氏と親交がある森英恵氏が創設
- MICHIKO LONDON(MICHIKO KOSHINO)
- tsumori chisato
- HIROKO KOSHINO
などが、ライセンスビジネスに積極的なハイファッションブランドとして有名。
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