「アントワープ6(Antwerp Six)」にマルタン・マルジェラは含まれない
17世紀に創設されたベルギー・アントワープの
「アントワープ王立芸術アカデミー」は
世界の服飾教育機関のBIG3に挙げられる存在。
そして、ロンドンのセントマーチンズやNYのパーソンがよりもランクが高い世界最高峰の存在とも言われる。
そんなアントワープ(王立芸術アカデミー)は
多数の有名なデザイナーを輩出してきたが、
1970年代後半に同校で学んだ人々の中からはたくさんのベルギー人トップデザイナーが誕生している事て有名。
彼ら・彼女らは1980年代初頭にアントワープを卒業したのち、
「アントワープ6(Antwerp Six)」
と名乗って行動を共にし、大きなインパクトを残した。
(その中の大半のデザイナーは、日本の川久保玲や山本耀司から強い影響を受けている事が特徴と言われる)
そんな「アントワープ6」には
1959年生まれのベルギー人トップデザイナー、
マルタン・マルジェラ(Martin Margiela)も当然のように含まれると思われがちながら、実はそうではなかった。
では、アントワープ6(Antwerp Six)とは誰の事を指すかというと、
- ドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)
- アン・ドゥムルメステール(Ann Demeulemeester)
- ウォルター・ヴァン・ベイレンドンク(Walter van Bierendonck)
- ダーク・ビッケンバーグ(Dirk Bikkembergs)
という有名な世界的デザイナー4人に
- ダーク・ヴァン・セーヌ(Dirk van Saene)
- マリナ・イー(Marina Yee)
という馴染みの薄い2人を含めた6人の事。
上記の人物はマルタン・マルジェラと同世代で、
アントワープでは同じ時期に学校内で学んだ親密な仲間。
特にマルタンはマリナ・イーという女性デザイナーと親密な関係であったが、
アントワープを卒業したのち早くもパリに渡り、
「アントワープ6」のメンバー達とは別に
ジャン=ポール・ゴルチエ氏の下で働きだしたという経歴をもち、
実はアントワープ6に含まれない。
一方で、アントワープ6に数えられるメンバー達は
1980年代半ばに6人でロンドンに乗り込み、合同展示会を開催するなどのチーム行動を行っていた。
(方向性の違いなどにより、1988年頃に6人での活動は終了した模様)
[注記]
海外のハイファッションの世界には
"Antwerp 6 +1"
という派生用語的なものがあり、その場合、"+1"は6人の同窓生であるマルジェラの事を指す。
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